皆さんはパラレルキャリアという言葉を聞いたことがあるでしょうか。
この言葉を聞いてすぐに理解できる人は、すでにパラレルキャリアを築いている人かもしれません。ですが、これほどまでの副業時代の中で、まだパラレルキャリアを知らないという方はこの言葉を覚えておいた方が良いでしょう。
今回は、パラレルキャリアについて詳しく説明していくほか、副業との違いや女性が中心となっている理由、さらにはどのような業種に求人が多いのかについて説明していきます。
この記事を読めば皆さんもパラレルキャリアを築いていくことができますので是非参考にしてみてくださいね!
ページの目次
パラレルキャリアとは
パラレルキャリアとは「第2のキャリア」という意味です。
「第2のキャリア」と聞くと、ひとつのキャリアを終えた後に新たに始めるキャリアのようなイメージを持つかもしれませんが、実際にはひとつのキャリアを築きながらもうひとつのキャリアを築くという意味です。
パラレルキャリアという言葉は、かの有名なドラッカーが1999年に発表した「明日を支配するもの」で出てきた言葉です。これまで会社に就職すると別のキャリアを築くことはありませんでしたが、これからはひとりでいくつものキャリアを持つ人が増えてきています。
パラレルキャリアが増えている理由
なぜパラレルキャリアをしたいという人が増えているのでしょうか。
主な理由としては、
- 仕事以外で自分のやりたいことをしたいという人が増えていること
- 自分がこれまで磨いてきた技術を社会に還元したいこと
- NPOなどが増えたことで第2のキャリアを築けるようになったこと
- インターネットの発達により、個人で情報を発信できるようになったこと
などを中心に挙げられます。
お金を得ることよりも大事な生きがいを見出すことが可能
他にもパラレルキャリアが増えてきた理由として社会環境の変化があげられます。
会社は短命になり、大企業ですら破綻することがあります。また多様な働き方を推進する社会の流れもこれを後押ししています。お金を得ることよりも社会で評価されることに生きがいを見出す人たちもいます。
さらに社会の変化があげられます。
新しい働き方としてフリーランスの割合は増えてきています。組織に属さずに仕事をするフリーランスという働き方が増えてくるため、パラレルキャリアのような会社とは別の働き方も増えてきているのです。
今後もパラレルキャリアを始める人が増えてくるのは間違いないでしょう。
パラレルキャリアを始めることのメリット
パラレルキャリアには好きなことを始めることができるというだけではありません。
そこには他のメリットもあります。
ここではパラレルキャリアのメリットについて説明します。
人脈が築ける
パラレルキャリアを始めることで、これまで会社で働いていただけでは築けなかった人脈を築くことができます。人脈というよりも仲間と言った方が良いかもしれません。
会社に属していると交友関係はどうしても狭くなります。そのため新しい刺激もだんだんと少なってくるのが実情です。
結果として仕事の広がりも限界が出てきます。新しい出会いをすることで、新しい知識を得ることができますから、仕事の幅も広がり、人生もより豊かなものになるのは間違いありません。
経営者感覚を理解できる
会社で働いていると自分の仕事と給料のことに意識が集中してしまいます。もちろんそれは働いている人間として当然のことです。しかし、社内でステップアップしていくためには、経営者感覚はどうしても必要です。出世してから身につけるというのは難しいと言えます。
パラレルキャリアを始めると、自分で仕事を管理するようになりますから、経営者感覚が身につきます。これはNPOなどのボランティアも同じです。人をどのように動かせばよいか、どのように仕事を割り振れば良いかなど、学ぶべきことはたくさんあります。
これは大きなメリットであると言えるでしょう。
独立の準備になる
前述したように最近ではフリーランスとして働いている人の割合も増えてきています。ただし、いきなり独立をして稼いでいけるかどうか不安になっている人も多いと思います。そこで、もしうまくいけるのなら本業にしたいものをパラレルキャリアとして始めてみる人が多くなっています。
まずは無報酬でも良いので、初めてみて反応があるかどうか調べ、上手く行きそうであれば本業にするというやり方です。もちろん本業にならなくても、パラレルキャリアとして継続していくこともできます。
私も多くのフリーランスの方に会いましたが、会社員時代に独立準備としてパラレルキャリアを始めた方は多かったです。
転職もできるようになる
パラレルキャリアは第2のキャリアですから、基本的に本業とは別に行っていくものです。
しかし、本業よりも楽しくなってしまうこともあります。そうした場合に、パラレルキャリアの方を本業にする人もいます。
これまで築いてきたキャリアとは違いますが、パラレルキャリアとして築いてきたことで、転職する際にも優位になるはずです。
実際に好きなことが本業になった人に何人も会ってきましたので、パラレルキャリアを始めることで転職につながることもありますよ。
本業に良い影響がある
パラレルキャリアはただキャリアが二つになるだけではありません。それぞれのキャリアが相互に良い影響を与えます。例えばNPOなどでパラレルキャリアを築くことで、新たな知見が生まれ、それが本業で発揮されることがあります。
そのため積極的にパラレルキャリアを推し進めている企業もあります。
例えばDeNAでは社外の副業だけでなく、社内と別部署の仕事を兼務できるようにしています。こうしたやり方は今後ますます広がっていくことでしょう。
パラレルキャリアの始め方
こうしたパラレルキャリアですが、どのように始めれば良いでしょうか。
あくまでも第2のキャリアですので、特に就職活動をする必要はありません。
パラレルキャリアを始めるのはそんなに難しいことではありません。ただし何をパラレルキャリアにするのか考える必要があります。
まず自分がこれからパラレルキャリアとして何をしたいのか書き出してみます。そのうえでどのように始めれば良いか考えます。
例えば、運動をしてきた人であれば、週末にコーチをするというやり方があります。子どもたちのための野球チームやサッカーチームのコーチをやっている方は意外と多いです。私の知り合いでも週末はバスケットのコーチをしている人がいます。これも立派なパラレルキャリアです。
さらにバスケのコーチをすることで本業の仕事につながることもあるようです。確かにそこには仕事をしている保護者の方が来るわけですから、「子どもがお世話になっているコーチに仕事を依頼したい」となるのは自然な流れです。
他にもNPOなどのすでに動いているプロジェクトに参加することで、パラレルキャリを築くことができます。
現在では「パラレルキャリア支援サイトもんじゅ」や「NPO法人 二枚目の名刺」などを使えばNPOの活動にも参加することができます。パラレルキャリアに興味がある人はこうしたサイトに登録してみるのが良いでしょう。
パラレルキャリアは始めることは簡単ですが、継続することが難しいです。継続しなければパラレルキャリアになることはありません。
パラレルキャリアが負担にならないように無理のないペースで継続していくようにしましょう。
パラレルキャリアと副業は何が違う?
パラレルキャリアは第2のキャリアということはすでに述べましたが、それでは副業と何が違うのでしょうか。
副業との大きな違いは副業が収入を目的としているのに対し、パラレルキャリアは収入を必ずしも目的としていないことです。もちろんパラレルキャリアでも収入が発生するものも多いのですが、それだけが目的ではないというのが副業との違いです。
前述したバスケのコーチで言えば、報酬は本当に微々たるものです。
バスケが好きであり、子どもたちにバスケをしてほしいというのが大きな目的です。コーチたちの報酬が少ないために、子どもたちの月謝は安く、多くの子どもたちがバスケを楽しむことができます。
これは副業とすると成立しませんし、副業だと考えているコーチもいません。
ただし問題なのは収入が発生してしまうと、会社にとっては副業だと認識されてしまうことです。
全くの無報酬であれば問題ありませんが、収入が発生してしまうと会社の副業規定にひっかかる可能性があります。
「これは副業ではなくパラレルキャリアです」と言っても理解されないでしょう。副業禁止の企業では無報酬以外のパラレルキャリアは難しいと言えるでしょう。
パラレルキャリアには女性が多い?その理由は?
パラレルキャリアは第2のキャリアであるというのはすでに述べましたが、男性よりも女性に多いです。その理由は女性の場合、結婚や出産によって仕事をセーブしなければならない、もしくは仕事をやめなければならない人が多いことが原因です。
もちろん仕事を続けたいのに続けられないとなると問題なのですが、中には子育てとの両立を図るために柔軟な働き方を求めている人もいます。ひとつのキャリアを築きつつ、子育て後には独立してフリーで仕事をするためにパラレルキャリアを始める人も多いです。
こうした流れは女性の活用や新しい働き方の影響もあります。
副業を認める流れや同一賃金同一労働という話もあり、パラレルキャリアを始めることを推進する流れもできています。
例えば、週3日は会社で働き、1日はパラレルキャリアとして働くという働き方も認められるようになってきます。またフリーランスになった時にパラレルキャリアの経験が生きるのは間違いありません。
こうした理由から特に女性でパラレルキャリアを始める人が多いのでしょう。
パラレルキャリアの求人はどのような業種に多いのか?
パラレルキャリアの場合、自分の得意なことや好きなことで始めるわけですから、「求人」というのが間違いかもしれません。
報酬を考えないのであれば、すぐにでも始めることができるのが、パラレルキャリアです。ボランティアであればボランティアを募集しているところを探せばたくさん出てきます。
ただNGOなどでパラレルキャリアを始める場合は「パラレルキャリア支援サイトもんじゅ」などで検索してみるとよいでしょう。本業とは違うわけですから、自分が本当にやりたいことを見つけてから仕事を探してみるのが良いでしょう。
パラレルキャリアの注意点
パラレルキャリを始める際には注意点があります。
ひとつには前述したように、会社の副業規定に引っかかる可能性があることです。これは会社との関係が悪くなる可能性がありますので、事前に会社に確認しておきましょう。
本業に支障をきたさないようにすること
次に本業に支障をきたさないように注意する必要があります。
パラレルキャリアを始めることで、本業に支障が出る場合、会社もあなたに対して注意するでしょう。本来パラレルキャリアは本業との相乗効果が期待できるものですが、それがマイナスの効果になる場合もあるのです。
パラレルキャリアを始めた結果、本業がダメになってしまったら「パラレル」なキャリアにはなりませんよね。本業に支障をきたしていると思った場合は、パラレルキャリアについてすみやかに見直すようにしましょう。
自分のペースに合った内容を選ぶこと
最後にペースを考えることです。
パラレルキャリアは自分の好きなことで始めることが多いので、本業よりもそちらが楽しくなってしまうことがあります。もちろん、こちらの方を本業にするなら良いのですが、そうでない場合、無理をしすぎて体調を崩してしまうことがあります。
何をするにも健康は重要な要素です。体には気を付けるようにしましょう。
ゆっくり継続させて取り組むこと
また継続することが重要です。無理をしすぎて継続できなくなるということもあります。継続することでパラレルキャリアになるわけですから、まずは継続することを前提にゆっくり始めるようにしましょう。
パラレルキャリアを楽しもう
ここまでパラレルキャリアについて述べてきましたので、パラレルキャリアについては理解できたでしょう。
パラレルキャリアで最も重要なのは「何をパラレルキャリアにするか」です。
パラレルキャリアの始め方のところでも述べましたが、自分がやりたいことを探してみましょう。そしてそれを気楽に始めてみましょう。そうすることでパラレルキャリアを楽しむことができます。
パラレルキャリアは楽しむことで長く続けることができます。
長く続けることができれば第2のキャリアとしてあなたの存在をさらに高めてくれます。あなたもひとつのキャリアだけに縛られずに楽しくパラレルキャリアを築いてみましょう。
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