NISAって聞いたことあるけれど、具体的にサービスの内容を知らない…
実は、このように悩んでいる方、多いと思います。
「誰かに説明をして欲しい」と言われてなかなか上手く伝えられなかったりすると、社会人としても恥ずかしいですよね。
そこで今回は、NISAのことを何も分からない方向けに分かりやすく説明していきたいと思います。
ページの目次
NISAとは?
NISAは、2014年から開始され少額での投資を対象に税金がかからないようにした制度のことです。
イギリスのISA(Individual Savings Account :個人貯蓄口座) をモデルにした日本版のISAでNISA(Nippon Individual Savings Account)と名づけられました。
非課税制度の対象者
この制度を利用できる人は日本国内に在住の20歳以上の方です。
0歳から19歳の方はジュニアNISAという別の口座を利用します。また、この制度を利用した場合、口座は1人1口座までしか開設できません。金融機関の変更は可能ですが変更しようとする年の9月末までに手続きを完了しておく必要があります。
非課税制度の対象金額
非課税の対象範囲は株式・投資信託等への投資から得られる配当金・分配金・売却益などです。また、非課税で行える投資枠は新規の投資額で毎年120万円までで、最大で600万円となっています。
非課税制度の期間
非課税となる期間は最長で5年間ですが、期間終了後は新たな非課税投資枠へのロールオーバー(移管)が可能です。非課税投資枠の未使用分があったとしても繰越すことはできません。
この制度自体が2014年~2023年までとなっているので投資可能期間はその期間内までです。2023年に購入した金融商品に関しては終了後も最長で5年間非課税の対象となります。
NISA口座で運用できる金融商品の種類は?
NISA口座で運用可能な金融商品は、株式投資信託 / 国内株・外国株 / 国内ETF・海外ETF / ETN(上場投資証券)/ 国内REIT・海外REIT / 新株予約権付社債(ワラント債)です。
逆に、非上場株式 / 預貯金 / 債権 / 公社債投資信託 / MMF・MRF / eワラント / 上場株価指数先物 / 金・プラチナ / FXなどは対象外になります。
ただし、これらの金融商品は金融機関によって異なります。
非課税期間の終了後はどうするの?
非課税期間が終了したあとは、保有金融商品は新たな非課税投資枠へのロールオーバーか課税口座に移すことになります。
ロールオーバーとは
ロールオーバーとは実質的に非課税期間を延長することです。
ロールオーバーに上限はないので、時価が120万円を超えていたとしても可能ですが、最大で600万円までです。
ロールオーバー時の保有商品の時価が120万円に満たない場合は残額をその年に非課税投資枠として使用することができます。
たとえば、2014年株式を20万円で購入したとします。2018年末のロールオーバー時の時価が同じく20万円だったとした場合、2019年の非課税投資枠は120万円-20万円=100万円となります。
ロールオーバー時の時価が120万円をこえていてもロールオーバー可能ですが、非課税投資枠は0円となり、よってあらたな買い付けはできなくなります。
ロールオーバー時の注意点
同一金融機関でしかロールオーバーすることができません。
なお、NISA自体が2023年までの制度なので2019年購入の金融商品にはロールオーバーの適用がありません。
課税口座に移す
課税口座に移す場合、払出時点での時価が取得価格になります。払出後は損益通算や損失の繰越控除を受けることできます。
課税口座に移す時の注意点
課税口座に移すときに含み損が出ている場合、時価が取得価格になるので、実際の購入価格より低い価格が取得価格と設定されてしまいます。その後金融商品が値上がりした場合は、時価-取得価格が利益とみなされるので、その利益に対して課税されることになります。
たとえば、NISA口座を使用して株式を20万円で購入したとします。5年後に10万円で課税口座に移した場合、取得価格が10万円になります。翌年に15万円で売却した場合、5万円の利益が出たとみなされその5万円に対して課税されてしまいます。本来なら5万円の損失が出ているはずなのに、課税されるということが起こってしまうので注意が必要です。
NISA(非課税制度)についてのまとめ
口座開設者 | 日本在住の20歳以上の方 |
非課税になる範囲 | 株式・投資信託等への投資から得られる配当金・分配金・売却益など |
非課税で行える投資枠 | 毎年120万円まで、最大で600万円 |
非課税となる期間 | 最長で5年間 |
制度の適用期間 | 2014年~2023年 |
NISA(非課税制度)のメリット・デメリット
メリット | ・非課税で投資が可能 ・ロールオーバーすることで非課税期間を延長することができる
|
デメリット | ・非課税期間終了後、含み損が出ている場合に注意が必要 ・2019年以降に購入した金融商品に関しては、ロールオーバーできない |
ジュニアNISAとは
ジュニアNISAは2016年1月からはじまった未成年者少額投資非課税制度のことです。
この制度の趣旨は子供の将来の教育資金や就職資金の形成を支援するためのものであり、中長期にわたる投資を目的としたものです。
ジュニアNISAの対象年齢
利用できるのは日本国内在住の0歳~19歳までの方です。
口座開設は1人1口座までしかできません。
なお、ジュニアNISA口座を開設するには同じ金融機関に親権者が総合口座を持っている必要があります。また、金融機関の変更をする場合には口座の廃止をしなければなりません。この場合は過去の利益に対して課税されてしまうので注意が必要です。
ジュニアNISAの対象金額と期間
非課税となる対象範囲は株式・投資信託等への投資から得られる配当金・分配金・売却益などです。非課税で行える投資枠は新規投資額で毎年80万円になります。非課税期間は最長で5年間です。
ジュニアNISAの注意点
他の口座との損益の通算は行うことができません。
なお、現在のジュニアNISA口座以外の口座で保有する金融商品をジュニアNISA口座に移すことはできません。また、ジュニアNISA口座で保有中の金融商品を他の金融機関のジュニアNISA口座にも移すことができません。
投資可能期間は2023年までですが、一定の金額までは20歳になるまで非課税で保有できます。
払出は原則18歳になるまではできませんが、災害などやむを得ない場合には、非課税での払出が可能です。その他の18歳になる前の払出は過去の利益に対して課税されてしまいます。
ジュニアNISAの制度終了後について
2023年の制度終了時点で20歳になっていない状態で非課税期間が終了したときは、金融商品を継続管理勘定に移すことができます。
それによって20歳になるまでは非課税での保有が可能です。また、継続管理勘定に移すことのできる金額に上限はありません。しかし、新規の買付は不可となっています。
2023年までに20歳になる場合には、自動的にNISA口座が開設されます。その際に一般NISAにするか、つみたてNISAにするかを選択することができます。一般NISAを選択した場合ジュニアNISA口座(非課税口座)の金融商品はNISA口座に上限なしで移すことが可能です。
NISA口座とジュニアNISA口座のまとめ
NISA口座 | ジュニアNISA口座 | |
口座開設者 | 日本在住の20歳の方 | 日本在住の0歳~19歳の方 |
非課税になる範囲 | 株式・投資信託などの投資から得られる配当金・分配金・売却益など | 株式・投資信託などの投資から得られる配当金・分配金・売却益など |
非課税で行える投資枠 | 毎年120万円まで、最大600万円 | 毎年80万円まで、最大400万円 |
非課税となる期間
| 最長で5年間 | 最長で5年間 |
制度の適用期間 | 2014年~2023年 | 2016年~2023年 |
払出 | 制限なし | 18歳までは制限あり |
運用口座の管理 | 本人 | 親権者などが代理 |
つみたてNISAとは?
つみたてNISAは、2018年1月からはじまった長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。
利用できる人は、日本国在住で20歳以上の方です。NISA口座内でつみたてNISAか一般NISAかを選ぶ必要があります。
つみたてNISAのポイント
つみたてNISAか一般NISAかの選択は1年単位で変更可能です。
変更しようとする年の前年の10月~12月の間に手続きを完了させておく必要があります。しかし、すでに投資信託を購入してしまった場合は翌年まで変更できません。
金融機関の変更も1年単位で可能ですが、変更しようとする年の9月末までに手続きを完了させておく必要があります。また、NISA口座内で金融商品をすでに購入してしまっている場合はその年の変更はできなくなります。
つみたてNISAの対象範囲
非課税となる対象商品は長期・積立・分散という趣旨から投資信託が対象となります。その中でも、公募株式投資信託とETF(上場株式投資信託)に限られています。
さらに条件として、販売手数料が0円(ノーロード)・信託報酬も低い・頻繁に分配金が支払われない商品などが、要件として決められています。
つみたてNISAの対象金額
非課税となる投資金額は、年間40万円まで、最大800万円となっています。
非課税となる期間は最長20年間です。非課税期間の20年間が終了した場合は、課税口座に払い出されます。つみたてNISAではロールオーバーができません。
なお、つみたてNISAの最終年である2037年中に購入した場合でも20年間の非課税期間が適用されます。
投資方法は定期的に一定金額を購入するので、価格の高い時には少ない口数、価格の低い時には多い口数になります。これによって平均購入単価を低く抑えることができます。長期間保有することで元本割れのリスクも低く抑えられることになります。また、投資信託自体がリスクを分散した金融商品になっているので、より資産運用の安全性が高まります。
つみたてNISAの注意点
長期運用する際の注意点として、信託報酬があります。
信託報酬は数%ですが、長期間保有するとなると大きな違いが出てきますので、手数料の確認を怠らないようにしましょう。また、つみたてNISAのメリットでもある分配金の再投資に関しても、長期で保有することによって複利効果が期待できるので長期の運用を心がけましょう。
つみたてNISAと一般NISAのまとめ
一般NISA | つみたてNISA | |
利用できる人
| 日本在住の20歳の方 | 日本在住の20歳の方 |
非課税になる範囲 | 株式・投資信託などの投資から得られる配当金・分配金・売却益など | 投資信託などの投資から得られる分配金・売却益 |
非課税で行える投資枠 | 毎年120万円まで、最大600万円 | 毎年40万円まで、最大800万円 |
非課税となる期間
| 最長で5年間 | 最長で20年間 |
制度の適用期間 | 2014年~2023年 | 2018年~2037年 |
非課税期間終了後のロールオーバー
| 可能
| なし |
払出 | 制限なし | 制限なし |
最後に
一口にNISAといっても目的や年齢によって使い方が変わってきます。
まずは大きな枠組みから理解して、自分に合ったものを将来を見据えて選ぶことです。投資は利益を生んでくれる代わりにリスクも存在します。投資を考えるうえで利益を追求してしまいがちですが、まずはリスクを押さえておくことが必要です。
事前にリスクを知っておくことで対処も可能になってきます。1番してほしくないことは排除可能なリスクを後になって知って後悔することです。
自分や家族にとって大切なお金だからこそ、リスクに見合うようなリターンが望めない場合や、過度なリスクが想定される場合は投資をしないという選択も考えることです。投資のチャンスはいくらでもあります。
焦ったり欲張ったりせず、しっかりと学んでいけば自分で投資先を選びリスクやリターンを調整しながら資金を上手に運用することができるようになっていきます。
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